刑事事件では、国選弁護人より私選弁護人がいい?

結論:なるべくなら私選がいいでしょう。

 

 

国選弁護人と私選弁護人の最大の違いは、国選では弁護士を選べない、弁護士を自分で選びたいなら私選しかない、ということです。


もちろん、ダメな弁護士に私選で頼んでも、良い結果にはなりません。逆に、国選で非常に良い弁護士に当たることもあります。

そういう意味で、国選は宝くじみたいなものですが、銀行が売っている宝くじよりは多少当たりの確率がいいでしょう。

 

もっとも、国選弁護人が裁判所からもらえる報酬は、はっきり言って非常に安いです。

弁護士も人間ですので、一般論としては、国選よりも私選のほうが手抜き無く丁寧にやってくれると考えていいでしょう。

 

また、国選弁護人は、もし選任された弁護士が気に入らなくても解任できません。最後までおつきあいすることになります。

ただし、新たに私選弁護人をつけた場合は、国選弁護人は不要とみなされて解任されるのが普通です。

 

刑事事件は、疑いようもなく人生のかかった重大な出来事なのですから、できる限り私選で「本当に良い弁護士」を探すべきです。

 

この点、いったん国選弁護人になったその弁護士を私選弁護人にすることは、原則としてできません。

それを許すと、国選弁護人が自分を私選弁護人にするように(お金を出せと)働きかけるおそれがあるので、よほどの事情がなければ許されないことになっています(地方によって規則の厳しさの違いは多少あるようです)。

したがって、とりあえず国選で良い人に当たるかどうか様子を見ておいて、良い弁護士に当たったら私選に切り替えよう、などという都合の良い考えは許されません。

国選弁護人から私選弁護人に切り替えようとするときは、別の弁護士に頼む必要があります。

 

端から見ると、良い国選弁護人に当たっていると思えるのに、わざわざ刑事事件に不慣れな私選弁護人(広告が派手なだけの新人とか、普段あまり刑事事件をやっていないベテランとか)をつけてしまう人が、ときどきいますね。

私選弁護人への切り替えを考える際は、今の国選弁護人が信頼できない人なのかどうかを、よく確かめるようにしてください。