あなたの選択肢を示し、選択を委ねる

良い弁護士は、可能な限り複数の(考えられる限りの)取り得る選択肢を示す、という努力をします。

そして、それぞれの選択肢の長所と短所を、なるべく詳しく説明します。

もし選択肢が限られているなら、その理由を説明します。

そのうえで、相談者(あなた)自身に、選択を委ねます。

 

弁護士は、あくまでも代理人であり、助言者です。当事者ではありません。当事者にとって最適な解決方法が、弁護士にとって受任してお得になる方法だとは限りません。

したがって、決め手となる選択は、常に当事者であるあなたに委ねられるべきです。

 

ところが、実際のところ、「こうしなさい」とはじめから断言してくれる弁護士が頼もしいと思われることが多いし、選択肢を示しても「自分では決められないから、とにかく一番よい方法を教えてほしい」と言われることが多いのです。

 

わらにもすがる思いの相談者の方からすれば、やむを得ないことなのですが、やはり、本来は順番が違います。

 

「自分の代わりに決めてくれる弁護士を信頼する」のではなく、せめて「信頼できる弁護士に、条件を示して決めてもらう」のが正しい順序でしょう。