表示料金で比べてもいいの?

ホームページには、弁護士費用についての説明があるのが普通です。

なるべく安いところを選んでいいのでしょうか。それとも、ちょっとだけ高めのところが、かえって信頼できるのでしょうか。

 

依頼者の立場からすると、自分の事件を依頼すると一体いくらかかるのかが不安です。なるべく料金についてわかりやすく書いているほうが安心感があります。

 

ところが、ホームページによる弁護士の料金表示には、どうにもならない限界があります。

債務整理など、ごく一部の簡単な事件を除いて、まずは弁護士が依頼者の話を聞いてみないと料金は決められないのです。事件に対して誠実に取り組もうとしている弁護士ほど、そうです。

 

たとえば、同じ離婚事件でも、女性側か男性側か、子供はいるか、財産はあるか、離婚原因は何かなど、事情によって解決までの手間暇が全く違います。

手間がかかるからといって依頼者がたくさん慰謝料を獲得できるとは限らないのですから、弁護士の報酬も高くなるとは限りません。かといって、手間がかかれば、事務所の経費がたくさんかかりますから、あまり安くもできません。

事情を聞いてみないと、適切な料金を算定することができないのです。

 

したがって、どんな事件でも一定の金額で受任できるかのような表示をしているホームページは、むしろ信頼度が低いと言えます。

そのような事務所は、手間がかかって難しい事件や実入りの少なそうな事件は、なんだかんだ言って受任しないか、表示されたのとは全く異なる料金を示すことになるでしょう。

 

ちなみに、ほとんどの弁護士は、すでに廃止された日弁連の旧・報酬基準を、そのまま採用しています。

いくつかのホームページを比べれば、事件の経済的利益に応じて、着手金と報酬金を見事に同じ%(パーセント)で一覧表にして表示している事務所が多いことに気付くと思います。それが、旧基準です。

 

ところが、この旧基準が、評判が悪い。いったいいくら取られるのか、わからないから不安になるのです。

しかし、実際のところ、旧基準を示している事務所の多くは、旧基準通りに弁護士報酬を請求していません。多くの場合、高すぎることになるからです。

このことを知らないと、無駄に不安を感じて、結局、損をします。

 

これに対して、旧基準の廃止後、一見わかりやすい料金プランを表示する事務所が、少しずつ増えてきています。

しかし、旧基準であれば、表示よりも安くするのが普通であったのに対して、新たな基準では割引が効かないと考えておくべきでしょう。

なるべく定額で事件を受任しようとすれば、ちょっと簡単な事件だからといって安くするわけにはいかないのです。(むしろ、そこが稼ぎどころになります。)

よく考えればわかることですが、比較的数の多い簡単な事件では少し高めの料金になるように設定しておかないと、ちょっと難しい事件をすべて断ることになってしまいますよね。

 

わかりやすいのは良いことなのですが、現段階では、定額表示の多くは、それほどおすすめできません。

そうなると、旧基準を中心とした料金表示をしたうえ、「法律相談を受けて弁護士が事情を聞かないと、正確な費用を見積もりできない」と、正直に書いているのが、一番誠実ということになるでしょう。